糖尿病の治療は既にに大きく変わっています!みなさまはまだ古い治療を受けていますか?
- tomii-oaroom
- 2016年10月28日
- 読了時間: 2分
当院以外で糖尿病の治療を受けているみなさま:
拝啓
ここ十年、糖尿病の治療は大きく変わってきました。
皆様はインスリンが糖尿病の発生と治療の主役であることはよくご存知だと思います。医学界の考え方もインスリンだけに注目していました。しかし、いくら薬でインスリンを搾り出して、或いは、足りないと思ってインスリンを補充しても、糖尿病は一向によくならない患者さんが依然多くいます。
そこでここ10年ちょっと前から、膵臓に存在するインスリンの対抗馬であるグルカゴンというホルモンの役割が、思ったより大事であることがわかってきました。
つまり、非常に単純明快にいくらインスリンを増やしても、グルカゴンがインスリンの作用を消してしまうということです。このグルカゴンをコントロールすると、あまりインスリンを増やさなくでもHbA1cが下がり、血糖も下がります。
そして、うまい具合に、オイグルコンなどSU薬やインスリンの注射などのように、量をうまく調節しなければ低血糖が起こって、意識がなくなるような非常に危険な状態になりかねないことは、グルカゴンを制御する薬には起こらないことがわかっています。
このグルカゴンを制御する薬は、週に一回だけ飲むか注射をするだけで、3ヶ月でHbA1cが8%から5%台まで下がった患者さんもいます。
また、このような患者さんもいます。1週間に1回だけ病院に来て、ほとんど痛くない注射を受けて、薬局で1粒の薬をもらって、その場で飲んでしまえば、もうこの1週間はなにもすることがありません。つまり、薬を持って帰ることすら必要がありません。
グルカゴンを制御する糖尿病治療の新しい時代の薬はDPP4阻害薬、GLP-1促進薬です。また、膵臓のインスリンとグルカゴンと関係なく、腎臓を通して糖尿病を治しながら心臓と脳を梗塞や出血などの血管障害から守ってくれるSGLT2阻害薬もあります。
こんなに楽に糖尿病が治る時代になっていますので、まだオイグルコン、ダオニル、グリミクロン、ア
マリールなどの薬だけを飲んでいる方やインスリンがどんどん増えているみなさん、如何でしょうか?
敬具
医療法人富井医院院長
日本糖尿病協会登録医
富井 明望
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