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除菌しても安心してはいけません


最 近ヘリコバクター・ピロリ除菌がますます普及していますが、外来でしばしば遭遇するのは、「除菌したので、もう再検査はいらないんじゃないの?」「以前先 生から除菌をしたから、もう来なくていいよといわれました」、或いは「除菌したから、胃がんにはもうならないと聞いている」など患者さんの声です。

 これは非常に危険です!

 というのは、ピロリ除菌はその治療した時点の胃の状態によって発ガンの危険性が違ってくるのです。

 ここでもう一回ピロリ菌に感染すると、どのように胃がんが発生するかをおさらいしましょう。

 ピロリ菌は主に子供のときに生水や、お母さんから口で食べ物を与えられたことで感染するという研究報告があります。感染すると、健康な胃粘膜 がピロリ菌の中からの[CagA]などの発がん物質に晒されていきます。すると徐々に慢性胃炎を引き起こします。さらに慢性胃炎が進むと萎縮性胃炎、さら に進むと腸上皮化生などのような変化が起こります。このような変化で胃がんにかかりやすくなります。

 つまり、ピロリ菌を除菌する時点での胃の状態はどうなっていたかによって、胃がんになる確率が大きく変わってきます。

  上の図に示されていますように、胃がんになる可能性は萎縮性胃炎のない方はほぼゼロ、萎縮性が軽度の方は1000人に1人、萎縮が結構進んでいる方は 500人に1人、高度に進んでいる方は80人に1人といった具合です。ピロリ除菌治療を受けると、その確率は3割程度減りますが、ゼロになりません。

 ですから、除菌治療を受けた方は是非、先生に自分の萎縮はどのぐらいのものかと確認をしてください。もし、いろんな原因で確認できない状態でしたら、是非、もう一度内視鏡検査を受けてください。

 その際は消化器内視鏡認定医かヘリコバクター学会認定医(富井医院院長は認定医です)のところで受けてください。なぜなら、認定医(或いはそれ以上専門医)はピロリ菌と萎縮性胃炎と早期胃癌について、最も新しい専門知識をもっているからです。

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