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 免疫ということばは、マスコミで斬新な科学としてずいぶんもてはやされています。最近の研究によると、さまざまな病気は免疫学の理論で説明できるようになり、それにより治療の方法も新たに生み出されました。

  免疫(あるいは免疫反応)は、私たちの体が外部からの異物などの侵入、あるいは内部の異変に対して起こる一連の変化や反応のことです。まず、外部の有害な存在(細菌、ウイルス、高温、寒冷、アレルゲン、紫外線など)に対して、からだは直ちに時系列に従い、段取りよく、速やかにこれらの侵害に対して反撃を開始します。 風邪を引くとからだが熱を出すことや、怪我をすると熱く腫れてくるなどの症状はこのような免疫のシステムがきちんと働いている証拠です。 

 病原体が体内に侵入してくると、これらを撃退するためにB細胞からはそれぞれ違った種類の病原体をきちんと区別し、破壊する特別な抗体(特異抗体)が延々と作られます。T細胞の働きはサイトカインと呼ばれる免疫反応と関係のある特別な「物質」を造り出すとともに、自ら身を張って病原体の抗原と結合して(結びついて)、それを攻撃します。

 

 さて、食細胞達の働きはというと、その名前通り病原体が侵入してくるとこの細胞群はとりあえずその病原体を食べてしまいます。食べてから、病原体をバラバラにして、それぞれの特徴になるいわゆる「抗原」という物質を取り出しリンパ細胞に教えることによって、正確な攻撃を加えることになります。また、補助的細胞達もそれぞれ特殊な働きをしています。

 

 

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免疫 異常に対するからだの重要な反応  Vol 1

 また、リウマチなどの膠原病は体が

自分の成分に対して抗体を造ってしまうことが原因であると分かってきました。さらに、最近では慢性成人病などのごく一般的 な、今まで免疫とは無縁と思われていた病気にも、このシステムが働いていることが分かってきました。免疫に最も関連のあるからだの要素は、血球、つまり血液 に含まれている細胞です。免疫に関係している血球は大きく分けて次のような種類があります。その一つはリンパ細胞と呼ばれ、リンパ細胞の中にも小さい細胞(B細 胞)と大きい細胞(T細胞)があります。この他に食細胞という細胞のグループがあり、その中に大食細胞(マクロファージ)と好中球といった細胞が 含まれています。

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