top of page

スキンケアと日常生活の注意点

◆清潔のスキンケア

 

 皮膚は、新陳代謝によって、角質や皮脂、汗、常在菌などが蓄積してきます。これに外からほこりや汚れ、化粧品などが付着します。これらが皮膚の病気の原因にもなります。皮膚を清潔にするスキンケアは皮膚の健康を守る上でとても大切です。
 そこで、皮膚を清潔にする上でかかせない入浴や、石鹸・シャンプーなどについての注意点を考えてみましょう。

 

◆入浴について

 

 まず始めに入浴についてですが、皮膚の病気で入浴を禁止しなくてはならないのは、とびひなど皮膚の感染症のあるときです。
シャワーも、なかなか治らないとびひの原因になることがありますので要注意です。ドライスキンが原因の湿疹では、熱い湯に長時間つかっているのは逆効果ですし、石鹸をたくさんつかってごしごし泡立てるのも悪化の原因になります。また、入浴剤には、体が暖まる目的のバスソルトと、界面活性剤の入ったバブルバス、そして保湿剤を主な成分にした入浴剤などがあります。バスソルトは手足が冷える人には勧めますが、湿疹やじんましんで体温が上昇すると悪化する人にはお勧めできません。保湿剤の入った入浴剤は乾燥を防ぐ良い補助剤になります。

 

◆石鹸・シャンプー

 

 垢や汚れを取るのは水、特にお湯で流すのが基本ですが、タオルで拭き取ってもかなりの垢が落ちます。 しかし、効率よくこれらを落とすには石鹸やシャンプーなどの洗浄剤を使用して落とすことが必要です。
石鹸を使う第一の目的は汚れを落とすことです。この場合には、顔を含めてふつうの石鹸で十分です。 ただし、洗浄後つっぱり感の強い人では乾燥に対して油分と水分を補うことが必要です。それでも乾燥の強い人では、低刺激性と言われる石鹸を使用して下さい。石鹸で皮膚がカサカサになる人は、石鹸の種類より、洗い方と洗った後の保湿剤の使い方に問題がある人が多いようです。何度も洗う、ナイロンタオルでごしごし洗うなどは皮膚を痛めます。
 では、皮膚に優しい石鹸とはどんなものでしょう。
 普通の浴用石鹸はpH10前後のアルカリ性です。皮膚はpH4~6の弱酸性ですから、弱酸性にした石鹸や、炭素数の短い脂肪酸の部分を除いた石鹸や、これに各種保湿剤を付加した石鹸などがあります。また、かぶれを起こす成分をできるだけ除いて作っている石鹸などがあります。難点は値段が高いことです。どうしても皮膚の弱い人が使うと良いでしょう。

 

◆薬用石鹸

 

薬用石鹸には、トリクサンやツヤプリシンなどの殺菌剤が含まれています。皮膚は自然に備わった力で有害な細菌の繁殖を阻止していますが、アトピー性皮膚炎で細菌の多くなった場合や、にきびやとびひなどの細菌が原因となる疾患の場合には、薬用石鹸を使用する価値があるでしょう。
 

◆シャンプー

 

シャンプーにはジンクピリチオンなどのフケ防止剤や殺菌剤を加えた薬用シャンプーのほか、保湿成分を入れたシャンプーも数多く出ていますし、シャンプー後に良い香りがするのも楽しみです。これらを使用してもかぶれない方は使ってください。しかし、シャンプーした後もフケがとまらなかったり、かゆみのあるときはそのシャンプーが合わない可能性があります。低刺激性のシャンプーに変えてみることも必要でしょう。

 


 

参考文献  皮膚科診療プラクティス7 真興社

bottom of page