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 誰でも一度脳梗塞や心筋梗塞に罹れば、再発などしたくないはずですが、これこそ人間が支配するような事ではないと言われるくらい再発しやすいものです。しかも、まじめにお医者さんにかかっているにもかかわらず、再発してしまうのは何故でしょうか?

 

 答えは非常に簡単です。単に血液をサラサラにする「抗凝固剤」だけを飲まされているからです。
 脳梗塞の発病原因は、大体若年期から食習慣が悪く、高脂肪・高カロリーの食物を大量に摂取する上、飲酒することにより、血管、特に中小内径の動脈の壁が徐々に狭くなっていきます。その血管の壁を狭くさせるのは、高脂肪、高カロリー食事がもたらす、血液中に溶け込む悪玉コレステロール、即ちLDL-コレステロール、中性脂肪、ブドウ糖などです。これらの物質は具体的に、『免疫革命』にも出てくるマクロファージに貪食されて(つまり食べられる)から、血管の内腔にベタッとくっついていきます。体の血管のあちこちにこのような変化がおこると、いつでもこれらの付着物が血流で流されてしまう可能性があります。この流された付着物が、自身よりはるかに小さい細い血管まで流れてしまうと、詰まってしまいます。これで立派な梗塞ができあがります。

 

 ここまで読んでいただきますと、いくら血液をサラサラにする抗凝固剤だけを飲んでも、LDL-コレステロールを減らさなければどんどん血管が狭くなっていき、また梗塞が起こることがおわかりでしょう。

 

 更に危険なのは、血圧を下げていくだけの治療です。日中いくら血圧が高くても、寝ている時には低くなります。これは血圧が人間の神経に影響されていることを物語っています。副交感神経が活躍してのんびりしている時や、うとうとしている時の血圧は、交感神経が活躍する時、例えば病院の待合室でドキドキしながら自分の名前が呼ばれるのを待っている時、あるいは怖そうな先生の前に座っている時より低いはずです。

 従って、先生に「血圧が高いですね。薬を飲みましょう」と言われても、必ず自宅に帰る前に電気屋に寄って下さい。そして血圧計を買って自分で測ってみることです。

 

 現在、日本高血圧学会という専門的権威を持っている機構が作成した最新の血圧管理のガイドラインは、病院で140/90mmHg以上、自宅では135/85mmHg以上が、高血圧の定義となっています。

 つまり、自宅で135/85mmHg以下の場合は高血圧ではないのです。このような血圧の定義の変化に関心のない先生にかかっていると、一方的に大量の血圧降下剤を飲まされる危険があります。


 一方、脳梗塞の危険がある患者さんにとっては、過度な低血圧は適度な高血圧より危険です。なぜなら、圧力が低くなって、ちょろちょろとしか流れない水道のことを想像してみてください。水の流れが悪くなるということは、詰まってしまうことと同じなのです。
 最後に、もしあなたが一度でも脳梗塞や心筋梗塞になったことがあるなら、是非、病院からもらった薬の袋を取り出してみてください。
 もらった薬の中に、コレステロールや中性脂肪を下げる薬が入っていますか?
 また、手元に血圧計があったら、是非、自分のソファに腰を下ろして、深呼吸してから血圧を測定してみてください。あなたの血圧が110以下であれば、すぐに富井医院にかかってみてください。

あなたの梗塞は再発するかもしれない

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