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じんましん

 じんましんには、いくつかの種類があります。多く見られるものには、

 

  1:原因がすぐには解らずいろいろな形や大きさの膨らみが生じる普通のじんましん

 

  2:皮膚を掻いたり圧迫したところに出る機械性じんましん(人工じんましん)

 

  3:冷たいものに触れると出る寒冷じんましん

 

  4:汗をかく状態になると出るコリン性じんましん

 

  5:日光に当たると出る日光じんま疹

 

  6:物質(例えば牛乳など)が触れたところから出る接触じんましん

 

  7:眼瞼、口唇、外陰部などが腫れるクインケ浮腫もじんましんの1つです。
 


 じんましんが起きる仕組みにはいろいろありますが、アレルギーが関与するものとアレルギーとは関係無いものとがあります。アレルギーが関係するものには主にIgEという血清中の抗体が関与します。例えば、ある種の食べ物の成分(抗原)に対するIgE抗体が身体の中に出来ると、皮膚のマスト細胞と呼ばれる細胞で、この抗体と抗原の反応が起きます。すると、その細胞からヒスタミンという物質が遊離されます。ヒスタミンは皮膚の真皮の浅いところの血管に作用し、血漿漏出(血管の中の血漿が外に出ること)が起こり、そこに留まって膨らみ(じんましん)が出来るのです。
 麻薬類や、ある種の抗生剤などはアレルギー反応によらず、マスト細胞からヒスタミンを遊離して、じんましんを起こすことがあります。さらに、最近では精神的ストレスによって神経から遊離される、神経ペプチドと呼ばれる物質も、じんましんを起こす可能性があることがわかって来ました。

 じんましんはいろいろな原因で起こります。例えば、薬物、食物、感染(細菌、ウィルス、真菌など)、虫さされ、物理的な刺激、精神的原因、他の病気と関連して起こるものなど、じんましんが起こる引き金として多くのものの可能性があります。1ヶ月以内に治るような急性じんましんの場合には比較的原因が見つかることもありますが、それ以上続く慢性じんましんでは、原因を明らかにすることは難しい事が多いのが実状です。まれに全身性の病気の始まりの症状として、又その病気の症状の1つとしてじんましんが起こることがありますので、治りにくい時には身体の調子を医師によく話しておくことが大切です。

 じんましんの診断はその症状からさほど難しくありませんが、じんましんの起きる仕組みや、原因を見つけだすことは出来ないことがしばしばあります。じんましんの原因は検査をすれば、すぐ出ると言うものではありません。まず、じんましんの出る時の状況、じんましんの症状や経過、身体の調子などを、出来るだけ詳しく医師に伝えることが大切です。医師はその情報をもとにしてどのような検査をすればよいかを決めます。

 じんましんの治療で最も大切なことは、原因を見つけてそれを除去することです。しかし、先ほど述べたように、原因を見つけ出すことが難しい場合があるため、現実には薬物によりじんましんの起こる反応を弱めて、症状を抑える療法を取ることが主に行われます。薬物療法としては、日常見られる多くのじんましんがヒスタミンという物質で起こるので、ヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬(H1ブロッカー)が用いられます。それには多くの製剤がありますので、眠気などのよくある副作用や効き目をチェックして必要なことは医師に知らせておくことが大切です。抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー薬も同様に使われます。慢性じんましんは、かなり長期間服用することになりますが、じんましんが出た時だけでなく、出ていなくても2~4週間くらい続けて服用し、医師の指示に従って次第に減量していきます。
 ステロイドの全身投与は、急性症状の激しい時や、あるタイプのじんましんには行われることがありますが、通常のじんましんには用いられません。時に、治療の初めから漫然とステロイドを含む薬が投与されることがありますが、これは避けなければなりません。ステロイドが必要なのは特殊な場合ですので、内服している薬の内容を医師からよく聞いておくことも大切です。その他、じんま疹が出来やすい現在の体調を把握して、バランスを整えることを目的に、漢方薬を併用するなどの治療法も有効ですが、専門医の指示に従って行うことが大切です。

 一般的にじんましんを悪化させる因子、例えば飲酒、解熱鎮痛剤、温熱、ストレスなどは避けるよう心掛けます。また、日常生活の中で悪化因子探すように心掛けることが必要です。薬は医師の指示通りに服用することも大切です。勝手に飲んだりやめたりすると、治療効果が落ちることがありますのできちんと飲むようにしましょう。

 ★じんましん、特に慢性じんましんは難治で厄介な病気ですが、決して治らない病気ではありません。専門医を受診し、その指示に従って適切な治療を根気よく続ける事によって多くの場合その症状はきっと軽快していきます。

 じんましんは、10~20%の人が人生に一度は経験するともいわれるほど多い、皮膚の病気です。その症状は、皮膚に痒みの強い、蚊に刺されたような赤い小さな膨らみ(膨疹)が急に生じて、それが円形、楕円形、地図状などいろいろな形、大きさに広がっていきます。通常、これらの個々の皮疹は、数時間以内に(長くても1日以内に)跡形もなく消えてしまいますが、場所を変えて再発を繰り返すという特徴があります。
 男性よりも女性にやや多く、20歳代~40歳代に多く見られますが、7~8歳迄と50歳以降では少なくなります。

 じんましんは、10~20%の人が人生に一度は経験するともいわれるほど多い、皮膚の病気です。その症状は、皮膚に痒みの強い、蚊に刺されたような赤い小 さな膨らみ(膨疹)が急に生じて、それが円形、楕円形、地図状などいろいろな形、大きさに広がっていきます。通常、これらの個々の皮疹は、数時間以内に (長くても1日以内に)跡形もなく消えてしまいますが、場所を変えて再発を繰り返すという特徴があります。
 じんましんは、男性よりも女性にやや多く、20歳代~40歳代に多く見られますが、7~8歳迄と50歳以降では少なくなります。

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