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 心筋梗塞はとても恐ろしい病気です。胸が鋭い刃物に刺されたように痛い!!!下手をすれば、数時間内に心臓の拍動が止まってしまい、意識もなくなり、命があなたから徐々に離れていきます。

 どなたもこの恐ろしい病気にはかかりたくないでしょうが、どなたにもそれにかかるリスクがあるのです。というのは、もっとも恐ろしい犯人はあなたのすぐそばにいるからです。
 

 欧米で行われた何万人も参加した臨床実験では、高脂血症治療薬でこのLDLを平均より35%減らすと、5年のサイクルで確実に心筋梗塞が減ることがわかりました。逆に、LDLが高い場合は確実に心筋梗塞が増えてくるのです。

 実際に心筋梗塞で亡くなった方の大動脈を解剖してみると、その血管の壁に分厚くなっている箇所が見られます。それをプラーク(plaque-飾り板の意)といいます。

 このプラークこそ心筋梗塞の際に、大動脈やその他、体の各部位から流され、心臓の栄養血管である冠動脈を塞ぐ血栓の元凶です。そしてこのプラークは、主に血管の壁の内部に入り込んだLDLなのです。


 つい最近まで、LDLを知るためには、まず、総コレステロールや善玉のコレステロール(HDL)を測定してから、面倒な計算式に入れて算出しなければならなかったのですが、今では採血した血液から直接LDLが測定できるようになりました。

 ちなみに、LDLの標準値は140(単位はmg/dl)以下です。もちろんこれは単独の値で意味があるのではなく、やはり総コレステロール値、中性脂肪値、HDLコレステロール値などの総合的に評価することが必要です。


 ではどのような食事をとれば、LDLを減らせるのか?

 それには、まず不飽和脂肪酸というやや難しい専門用語を覚えてください。そして、この不飽和脂肪酸を多く摂れば悪玉が減り、善玉が増えることになります。不飽和脂肪酸はオリーブ油、ごま油、コーン油など植物油にたくさん含まれています。逆に動物性の油にはコレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く含まれています。

 「動物性を減らし、植物性を増やすなんかは常識だ!」という方がいるかも知れませんが、実際に食生活を見てみるとなかなかそう簡単にいかないことは言うまでもないですね


 また、すでに悪玉コレステロール(LDL)が高いといわれている方については、もちろん食事療法だけでは間に合わないので、数多くの薬が開発されています。

 これらの薬は副作用が少なく効果がはっきりしているので、心配なく服用することができます。問題は悪玉コレステロールが目に見えなく、症状もなかなかでないため、つい薬を飲むのを忘れてしまう、いわゆる「油断大敵」ということです。こういう場合は、1から3ヶ月に一度空腹時に採血する習慣を身につけることしかありません。

 


 さて、生命科学はどんどん進歩しており、LDLについても、研究が進んでいます。現在では、LDLの中には「超悪玉コレステロール」というグループがあるということまで分かっています。これはLDLが正常であっても心筋梗塞をおこした人の血液を調べた結果、LDLの値が低くてもこの超悪玉が占める割合が高いことが分かりました。この超悪玉の名はsmall dense LDLと呼ばれており、中性脂肪との関係も深いといわれています。残念ながら、現在ではまだ、一般的に簡単に超悪玉を測定することができませんが、近い将来は必ず普及できると言われています。

あなたが心筋梗塞になるリスクはどのくらい?

それはコレステロールです。
コレステロールはどこにもあります。

子供の時からよく食べていた卵の黄身は、100%コレステロール。右の票はコレステロールの高い代表的な食べ物の一覧です。

しかし、このコレステロールそのものではなく、その中にあるLDL-コレステロールが犯人なのです。
 コレステロールは血液の中に含まれている脂肪の一種です。その大きさから、コレステロールはいくつかの種類に分けられます。一番大きいものから一番小さいものまでその差は10倍!(詳しいことは図1を参照)。

問題のLDLはコレステロール軍団のなかでもあまり目立たないものに属しているが、その悪さは 抜群です。

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